MENU
神戸市内の豚饅店のご紹介
「三宮一貫楼」の豚まん
店頭で蒸し上げる豚まんは当店の看板メニュー
「三宮一貫楼」の豚まん
豚まん 1個:213円(税別)
ちび豚まん 1個:130円(税別)
  • 【所在地】神戸市中央区三宮町3-9-9
  • 【電 話】078-331-1974
  • 【営業時間】平日/11:00~15:00(L.O 14:30)
    土日祝/11:00~22:00(L.O 21:00
  • 【定休日】木曜日
  • 【オープン】1966年
  • 【予 約】あり
  • 【通 販】あり
  • 【交 通】JR神戸線ほか元町駅東出口より南へ徒歩1分
公式サイトはこちら>>

三宮一貫楼×豚饅娘インタビュー動画

三宮一貫楼×豚饅娘インタビュー

9代目KOBE豚饅娘 久保田 渚さん(以下久保田さん)
今回は三宮一貫楼常務取締役の安藤孝志さんに豚饅とお店についてお聞きします。安藤さんよろしくお願いします。

三宮一貫楼 安藤孝志さん(以下 安藤さん)
よろしくお願いします。

創業時から今も変わっていないもの、変わらずに続けてきたもの。

久保田さん
三宮一貫楼は今年で創立66年を迎えるそうですが、創業時から今も変わっていないもの、変わらずに続けてきたものはありますか。

安藤さん
最初からなかなか難しい質問ですね。おいしいものを届ける気持ち、仕事に誠実に行う姿勢は変わっていないです。もちろん、レシピも創業当時のままです。

久保田さん
時代にともなって変わってきたものはありますか。

安藤さん
それは多々ありますね。豚饅の皮の形成は変わってきました。昔と違って機械を一部導入したりそこに合わせたり柔軟に対応しています。なぜ、機械を導入したかというと、それは働き方改革です。昔みたいに職人さんたちが長時間労働ができなくなった。その中でいかに効率化を図ること、そこは時代に合わせて変わってきています。

久保田さん
機械の導入は皮を形成するということですが、どんな工程作業なのでしょうか。

安藤さん
豚饅の生地である皮を丸める作業です。たぶん老祥記さんと四興樓さんも苦労されている工程かと思いますが、皆さん皮の扱いを大事にされている。豚饅の皮は生き物だと。一日のうち、温度や水の量、粉の量も変えたりするので、皆さん苦心していると思います。

三宮一貫楼

豚饅の皮と餡のこだわり

久保田さん
生地で工夫されていることはありますか。

安藤さん
皮の原材料は小麦粉、高級洋菓子やシフォンケーキにも使われているきめ細かい小麦粉を使っています。この粉を使うと非常にくちどけがよく、モッチリ度も高いかなと。ふわふわとしたパン生地のような豚饅は、三宮一貫楼ではいまひとつ。モッチリとした皮が特長です。

久保田さん
皮を作るにもこだわりもあると思いますが、作るポイントはありますか。

安藤さん
毎日、発酵時間が違うので、その点は大切です。天気予報とか湿度温度によって発酵時間が変わってくる。そのあたりは職人の技術の賜物だと思っていただければ。

久保田さん
生地を見て湿度や温度など、もう少し水が必要だなとわかるのですか?

安藤さん
生地を見るだけではわかりにくいですが、触るとわかります。

久保田さん
職人の方は肌で感じ取られるのですね。

安藤さん
はい。

久保田さん
今度は豚饅の中身、具材の特長を教えてください。

安藤さん
三宮一貫楼の豚饅はよく甘いと言われます。他店と比べると、玉ねぎを多めに配合してしています。一般的な関西の豚饅のなかでは一番多いと思います。

久保田さん
玉ねぎの甘みを出すために、何か工夫されている部分はあるのでしょうか。

安藤さん
それは、素材の甘みだけ。

久保田さん
え、素材だけ?

安藤さん
はい、豚饅といったらカロリーを気にされる方もいらっしゃいますよね。三宮一貫楼の豚饅は野菜がたっぷりなので女性の方にもヘルシーだと言っていただけます。我々はそう思ってはいなかったのですが、そんな嬉しい声も聞こえてきます。

久保田さん
健康志向な方にもおすすめですね

安藤さん
はい、今後はこの特長を前に出してアピールしていきたいです。

久保田さん
豚饅の具材は、ほかに何が入っていますか?

安藤さん
豚肉、玉ねぎ、あとは調味料だけです。

久保田さん
豚肉と玉ねぎは知ってましたが、ほかにもあるのかなと思っていました。どうしてあんなにふわーッとして、ジューシーなのですか?

安藤さん
ジューシーな秘訣は「つなぎ」を使っていないことにあります。調味料、豚肉、玉ねぎだけ。例えば他店さんはカタクリをいれたりしてちょっと粘性をつけたりされているところもあります。なぜなら包むときに、より簡単に包みやすいのです。「つなぎ」を使っていないと粘り気がないため、豚饅を包むのには非常に技術がいる作業になります。
例えば夏前は新玉ねぎのシーズンなのでとても水分が多い。ですのでこの時期は、具材をざるに挙げて、玉ねぎの水分を飛ばしたり冷凍にかけるなど、毎年夏は工夫して豚饅を作っています。

久保田さん
新玉ねぎと通常の時期と味は違ったりしますか?

安藤さん
それは若干違いますね。僕個人的には新玉シーズンは5月ぐらいがおすすめです。

久保田さん
いつもより甘くなるのですか。

安藤さん
間違いなく甘い。それと寝かせた玉ねぎも甘みが出てきてかなり違います。だいたい10月ぐらいがベストです。

久保田さん
ちょうど今ぐらい(11月11日)ですか。

安藤さん
そうですね、年中おいしいのだけど。そのときどきに産地も変えています。

久保田さん
おいしい玉ねぎを使っているというですか。

安藤さん
もちろん!産地が決まっているわけではないけれど、この産地がなくなれば次はこの地域と決め手はあります。

久保田さん
豚肉のこだわりはありますか。

安藤さん
国産豚100%、信用しているお肉屋さんに任せているので、その日においしいものを仕入れています。

三宮一貫楼

実演販売で豚饅を包む作業を見せることについて

久保田さん
お店では実演販売をずっと続けておられますが、その理由は何でしょうか。

安藤さん
一番なのはデモンストレーション。その方が消費者にとって安心じゃないですか。

久保田さん
はい、私もそう思います。

安藤さん
見えないところで作っているより目の前で作っている方が安心ですよね。デモンストレーションを見て、あれが欲しい!と職人が作っている豚饅が欲しいというお客様も。でも、包みたては持ち帰ることはできません。実際に豚饅には発酵させてから蒸す工程がある。それを包んだとしても、すぐに食べれるわけではないですから。
「食べられるまで1時間ほど時間かりますよ」とお伝えしても、それでもいいから待っている、と出来上がるまでお待ちいただくお客様もいらっしゃいます。

久保田さん
今、包んだ豚饅を1時間かけてでも食べたいと。

安藤さん
はい、どうしても包んだ豚饅が欲しいとおっしゃるので。

久保田さん
熱狂的なファンな方ですね。ホームページで、経営陣の皆さんも包む作業を行うと見ました。

安藤さん
はい、僕もありますよ。

久保田さん
なんかすごいです!

安藤さん
そうですか?豚饅屋さんだから(笑)

久保田さん
私は今年から新入社員なのですが、同じフロアに常務や上司がいるだけでドキドキするというか、気がシャンとするんです。

安藤さん
僕らは貫禄がない(笑)

久保田さん
会社役員と同じ空気を吸うだけですごいなと、同じ作業をすると従業員の皆さんも安心すると思います。

安藤さん
我々の仕事は職人がやってきた仕事なので、この包む作業を外したらよくないのかなと。僕も大学卒業してこの仕事していますが、卒業した当時はなぜ豚饅を作らなければならないのかと。でも、包む作業をしないと何か違うのだと思いましたね。今も豚饅は作れるようになっています。

三宮一貫楼

2種類のサイズを販売するきっかけ

久保田さん
三宮一貫楼の豚饅は大きいサイズと小さいサイズがありますが、2種類のサイズを販売するきっかけはありましたか?

安藤さん
三宮一貫楼の豚饅はサイズが大きい、食事でこの大きさで食べるとお腹いっぱいになってしまうことも。小さいサイズはお客様のニーズもあり、販売したところお子さんや女性は小さいサイズが好まれるようでした。評判もよく、年々ファンが増えている状態です。

久保田さん
作ってほしいとお声があったからなのですね?

安藤さん
そうなんです。

久保田さん
小さいサイズを作る際に工夫されたことはありますか?

安藤さん
いいえ、それはありません。通常の半分サイズにしていますので、包む方はこちらの方が量産しやすいです。

久保田さん
これはミニバージョンということですか。

安藤さん
はい、あえて変えない。そのままのおいしさです。久保田さんはどちらが好みですか?

久保田さん
私は大きいサイズが好きです。口のなかにが豚饅でいっぱいになる感覚がたまらない。ほおばりながら食べたいです。

安藤さん
例えば老祥記さんの豚饅は小さいサイズですが、どうですか。

久保田さん
老祥記さんの豚饅は一気に食べたら勿体ないので、3口ぐらいで食べます(笑)

安藤さん
三宮一貫楼の豚饅とは全然特長がちがうでしょう?

久保田さん
はい、全然違います。味も皮も中身も違うので全く別物のような感覚です。

安藤さん
「ぱおつーしん」のインタビュー記事で、老祥記の曹さんが今のお店で作っている豚饅が老祥記の豚饅のベストな大きさとおっしゃっていましたが、僕も三宮一貫楼の豚饅は今のサイズがベストだと思います。食べ応えがありますし、味は同じですが小さいサイズの方が肉汁の入れ方があまいかなと思ったり、けれど人好き好きですから、食べやすい点を考えれば小さいサイズもいいかと。

久保田さん
ちょっと食べたいときにも助かります。

安藤さん
はい、女性にも人気サイズです。

三宮一貫楼

豚饅に何を付けて食べますか?

久保田さん
今度は、豚饅のおすすめの食べ方を教えてください。

安藤さん
三宮一貫楼のおすすめというか、個人的な意見ですが、最初は何もつけずにいただいて。他にはウスターソースを付けてお召し上がりいただく、ですね。

久保田さん
ウスターソースですか?つけたことがないです。

安藤さん
ウスターソースは非常に合います。

久保田さん
三宮一貫楼の豚饅に合うということですか?

安藤さん
あくまでも個人的な意見ですが、ウスターソースと、からしも合いますね。

久保田さん
どちらも一緒につけるのでしょうか。

安藤さん
はい、ウスターソースを合わせることでアクセントが効いています。

久保田さん
なるほど、今度ためしてみます。ウスターソースおいしそう。

安藤さん
ちなみに九州に行ったら豚饅にポン酢をつけますよ。

久保田さん
え、ポン酢ですか?

安藤さん
はい、たぶんコンビニの肉まんでもデフォルトで付いてくると。

久保田さん
全く知りませんでした!関東は何もつけないって聞くのですが。

安藤さん
それはつける人はいるのでは(笑)

久保田さん
関西は文化的にもからしは必要なのでしょうか。

安藤さん
三宮一貫楼は、豚饅を買ったお客様には個数分のからしをつけています。551蓬莱さんがからしを付け始めたから関西での影響力は大きいのかも。だから、関西ではからしのイメージが根付いてるのかもしれません。

三宮一貫楼

ひさご食堂から三宮一貫楼へ

久保田さん
今度は、三宮一貫楼の歴史について教えてください。三宮一貫楼が最初にスタートしたのが、ひさご食堂という名前でしたが、今は名前が変わっていますよね。

安藤さん
私の祖母が始めた商売、最初はひさご食堂と大衆食堂を兵庫区の荒田町で始めました。今は、三宮一貫楼は本店ですがここは2号店になります。
三宮本店の前に兵庫区・荒田一貫楼があったのですが、そこは祖母が最初にお店を始めた場所でした。祖母の知り合いを通じ、一貫楼本店製麺所というところがウチの親方筋にあるのですが、その方と祖母が意気投合し、一貫楼の屋号を名乗ることを承諾してくれたことが屋号の変更のきっかけになりました。
荒田で一貫楼をオープンしてから、昭和41年に三宮一貫楼をオープンするのですが、そのとき一貫楼は神戸市内にはたくさんの店舗があり、すでに元町にも。同じ元町では一貫楼の名前を名乗れないので現在本店の場所である三宮町、この町名から三宮の屋号をつけたのです。よく元町なのに三宮?とよく聞かれますが(笑)今となってはすごくよかった。昔は元町のほうが栄えていて人気もありましたが、今は三宮の方が「神戸」というイメージもある。三宮の屋号をもらったのは、運があったと思います。

久保田さん
最初は大衆食堂ということでしたが、豚饅は販売していましたか。

安藤さん
最初は豚饅は販売していません。昭和41年に三宮一貫楼本店をオープンしてそのときに初めて豚饅を売りました。

久保田さん
豚饅を売るきっかけになったのは?

安藤さん
職人さんと巡り合ったことでしょうか。先代が職人さんと意気投合して豚饅を売っていこうと。

オレンジ色の秘密と今後の展開

久保田さん
私、個人的なのですが三宮一貫楼の豚さんのイラストのロゴが、以前からかわいいなとずっと思ってました。

安藤さん
ありがとうございます。

久保田さん
すごくインスタ映えするんですよね。

安藤さん
ほかの発起人店舗(老祥記・四興樓)に比べると、三宮一貫楼のイラストはちょっとポップですね。このデザインは、今年の3月に閉店したJR三ノ宮高架下の店をオープンしたときに変えました。

久保田さん
そうなんですか。

安藤さん
はい、以前の紙袋は普通のデザインでした。高架下の店でサラリーマンの方が豚饅を買ってくださっていた時、紙袋をコロコロっと丸めてかばんに入れ恥ずかしそうにしていた姿を見たのです。その時、豚饅というのは恥ずかしいのかな?と。それなら、ちょっとスイーツを意識したようなポップな紙袋を作れば、そのまま下げて持ってもらえるのではないかと意識しました。

久保田さん
それまではオレンジ色ではなかったんですか?

安藤さん
オレンジ色ではなかったです。なかなか配色もうまくいかず、箱はもう少し派手だったかな。紙袋は白赤、黄色も使ってよく目立ちました。

久保田さん
デザイン変更はそれがきっかけに。

安藤さん
はい、変更したのは2005年、15年前です。

久保田さん
2020年11月下旬には、神戸駅近くにある商業施設デュオこうべにも出店されると聞きました。

安藤さん
本店から神戸駅まで流通もワンストップで動けますし、利便性が高い。なにより、神戸駅周辺に豚饅を販売する店舗がなかったのも理由のひとつです。

久保田さん
またひとつ、神戸市内で豚饅を買えるお店が増えるのはうれしいニュースですね。では、最後に「ぱおつーしん」をご覧の方にメッセージをお願いします。

安藤さん
豚饅は冬季限定というコンビニのイメージもありますが、新玉ねぎなどの旬の素材を使った時期など、年中おいしく食べていただけます。また、神戸は豚饅発祥の街、たくさんのお店がある中で、神戸市民には贔屓の豚饅のお店が個人個人あると思います。それだけ個性的なお店が揃っているので、ぜひ神戸の街で豚饅の食べ比べをしながら楽しんでほしいです。

久保田さん
玉ねぎの甘みを感じていただきたいですね。

安藤さん
はい、ぜひ食べていただきたいです。

久保田さん
素敵なお話を聞かせていただきありがとうございました。

安藤さん
ありがとうございました。

三宮一貫楼
page top